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Masa's blog

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2010年02月28日 zaurus SL-C760 angstrom [長年日記]

_ zaurus SL-C760 angstrom

ひょんなことで職場の大先輩からzaurus SL-C760を譲り受けることになった。SL-6000Dは毎日持ち歩いて実務に利用していて無茶が出来なかったので、これ幸いとイジリ倒してみようと思う。

とりあえず、以前から興味の会ったAngstromを突っ込んでみる。

NAND Backup

但し、その前に内蔵フラッシュメモリーの内容をバックアップする必要がある。そうでないと、いざという時にSharpの標準環境に戻せない。

  • バックアップ用の媒体としてFATフォーマットしたSD(CF)をスロットにセットする。
  • ACアダプタを外す。
  • バッテリーを外す。
  • [D] + [M] + ACアダプタ接続。
  • サービスメニューが表示される。
  • 3ページ目(SERVICE 3/3)の[1. NAND Flash Back Up]を実行。
  • [Execute Backup?]に対して、[OK]ボタン。
  • [Backup ... OK]と表示されたら完了。

Angstromのインストール

  • Angstrom-x11-image-glibc-ipk-2007.12-r13-c7x0-installkit.tgzを取得する。
  • tar xvzf Angstrom-x11-image-glibc-ipk-2007.12-r13-c7x0-installkit.tgz
  • 展開された updater.sh zImage.bin initrd.binをFATフォーマットされたSDのルートに放り込む。
  • 上記のSDをスロットにセットする。
  • ACアダプタで給電していることを確認する。
  • 本体裏側の電池交換スイッチを「解除(交換時)」側に切り替え、5秒待ってから、「Fn」キーと「HOME」キーを同時に押しながら電池交換スイッチを「ロック(使用時)」に切り替える。   
  • 充電ランプ(オレンジ色)が点灯していることを確認して、「OK」キーを押しながら、「電源」キーを押す。
  • メンテナンスメニューが表示されるので、「4.アップデート」を選択する。
  • 用意したメモリカード(「2.CF」または「3.SD」)を選択し、「はい(Y)」を選択する(USBはサポート外)。
  • アップデート(=Angstromのインストール)が完了すると、自動的に再起動され、Angstromが起動する。

初回起動時はrootのパスワードやらなんやら聞かれるので、粛々と答えて行くとmatchboxな環境で立ち上がる。

インストールそのものは呆気無いほど簡単に完了する。

keymapの調整

SL-6000の時と同様にzaurusはキーボードのデザインが特殊なので調整が必要になる。なんせこちらはSlackwareの流儀しか知らぬ年寄りなので、あれこれ探索するはめになったのだが、結局のところ/etc/keymap-2.6.maploadkeysで読み込んで設定するファイルになっており、この中で、

  • [Ctrl]は[カナひら]
  • [Alt]は[全/半]
  • [Esc]は[Cancel]

に割り当てられていることが判明。ただし、[`(grave)]だけが、どのキーにも割り当てられてなかった(ように思える...)ので、

keycode 28 = Return

keycode 28 = Return grave

に修正し、[Shift] + [Return]で入力できるように設定した。このように、コンソールレベル(?)でのキーマップを調整したのでxmodmapをいじくる必要は無かった。

ちなみに、コンソールレベル(?)でのキーコードの確認はshowkeyコマンドで出来る。また、上記の方法でインストールしたAngstrom環境にはxevコマンドは入っていなかった。

ここまでの作業で、とりあえずストレス無くテキストファイルを編集できる状態にはなった。

さて、本来ならばこの後は日本語化するなり、先達の成果を取り込むなりで環境を充実させていくのだが、実はARMedslackなるプロジェクトが存在し、さらにはこれをSL-6000にポーティングしようとするプロジェクトも有ることを見付けてしまった。

両方のプロジェクトを調べて分ったのは、

  • ARMedslackの方では(私の知らない)特定のARMハードウエア環境(またはQEMU環境)にインストールできるバイナリ(Slackware-12.2, current)が用意されている。
  • Angstromプロジェクトの成果物であるkexecbootを利用するとSDや、CFにインストールしたカーネルから起動することが出来る。
  • ARMedslackで用意されているバイナリをユーザランドとし、そこにAngstromで用意されているカーネルを放り込んだ形でSDなりCFなりに展開し、内蔵フラッシュにインストールしたkexecbootから起動をかける...

みたいな感じで、zaurus上でSlackware環境を実現できそうな雰囲気が有るので、ちょっとAngstrom環境そのものをイジクルのはやめて、Slackware on SL-C760の可能性を自分なりに追求してみたいと思う。

xev in ARMedslack on Angstrom

まず小手調べにARMedslackで公開されているcurrentのxevAngstrom環境に展開してみたら、実行することが出来た。

これは結構いけるかも...。